“実践”システム障害対応:12週目:関係者を交えた振り返り

12週にわたり「”実践”システム障害対応」と題して、システム障害対応の改善のプロセスを約3か月で実行できるように、各週ごとに何を実践すればよいか?を考えていきたいと思います。

12週にわたり書いてきた「”実践”システム障害対応」も今回が最終週です!

ここまで多くの準備・訓練を乗り越えて、たどり着いていただきありがとうございます。
最後にしっかりと振り返りをして、より良い学びへと是非つなげていきましょう!

振り返りの準備

振り返りをする前にしっかりと準備をしていきましょう。
振り返りも多くの時間をいただきながらインタビューやアンケートをすることが多いです。
これら皆様の協力を最大限に生かすことが重要になります。

目的の再確認

そもそも何を目的にやっていたか?を改めて確認をしましょう。初歩中の初歩ですし、ここに来るまでに何度も確認いただいていると思います。ただ、やはり実際の作業や準備をしていくと徐々に忘れてしまうものです…ここでも改めて目的を再確認して進みましょう。
今回の一連の活動の中で本当に目指したかったことは何だったでしょうか?

振り返りの次のアクション

目標を思い出した上で振り返りの次のアクションを想像しましょう。
よくあるのが「インタビュー・アンケート」を取った後に、「へーそうなんだ」となってしまうパターンです。

例えば、「今回の訓練は満足のいくものでしたか?」を5段階評価で聞くとします。
5が10%、4が20%、3が40%、2が20%、1が10%だったときに、次にどのようなアクションを決定しますか?

目標が「定期的な訓練の習慣をつくる」だった時に、その第一歩として「次また訓練に参加したいと思ってもらう」ならば、この2が20%、1が10%を対策すべきかなとは思いますが、どういう要因だったのでしょうか?

どんな思いで2と1を付けたのかは、更に深堀をしないと要因はわからないため、インタビュー・アンケートだけでは足りない結果になりがちです。

前述ぐらい目標が決まっているならば「次同じ訓練があったら参加したいと思いますか?」と聞いてしまうべきです。2と1の人がどんな人かを見極める必要がありますし、なぜそう書いたのかをフリーワードで聞くべきでしょう。もしかしたらベテランの人で「自分が知っていることばかり」と思っているならば参加者を明確に絞る、教える側に回ってもらうなど、次のアクションが取りやすくなります。

ただ漠然とインタビュー・アンケートをすると使えないものになってしまうので要注意です。

振り返りの実施

定量調査:インタビュー形式

前述の目標が決まったら、どうやって振り返りを実施するべきかを考えます。
ここでは一般的に顧客インタビューで使われるようなものを参考に考えるとよいです。

※引用:インタビュー調査とは|種類と活用例・メリット・デメリット・進め方のコツ

ここでは商品に関するインタビューをメインに書かれていますが、私たちもより良いフィードバックを受け取るためには、このようなことを考える必要があります。

それぞれのメリット・デメリットを考えながら実施していきましょう。

私の過去の経験からすると、「ネガティブな回答をしていて前向きにしたい人にこそ、デプスインタビュー」で何故ネガティブに感じているかを聞き取るのが重要です。意見がネガティブなので避けがちですが「一般的な商品販売のように一部の人に売れれば良いのではなく、チーム全体で対応すべきもの」です。また、ネガティブな感情を持っている人ほど何等かの考えや思想があって答えてくれてることが多いです。その方の話はじっくり聞くことによって次のヒントが生まれたり、本当にその人は「対象外にしたほうがよい」というのをお互いの同意のもとで取れるなどがあります。

一方で「ポジティブな人はグループインタビュー」がおすすめです。ポジティブな人を数人集めると、よかった回答から更に派生して、より良いアイデアが出てくる場面が多いです。また、この方々の意見を反映し実施側へ巻き込めることで、今後の訓練がより一層自分事として多くの人が参加できるようになっていきます。

定性調査:アンケート形式

アンケートは目標や次のアクションを十分に精査した上で送りましょう。
皆様自身もアンケートを受け取って「多すぎる・・・」と感じて途中で断念してしまう経験があるのではないでしょうか?

アンケートは設問が多くなればなるほど回答精度が落ちますし、回答する人の完了割合も落ちていきます。

本当に必要な設問のみに絞り込み、しっかりと「このアンケートは次の何に使えるのか」を伝えて設問を作りましょう。

こちらも一般的なアンケートの作り方の記事がたくさんあるので利用しながら作っていきましょう。

参考:アンケートの作り方は6つのコツを押さえれば簡単にできる!

一般的な者に比べて参加者であれば回答割合は高くなりやすいです。ぜひ訓練が終わったらそのタイミングでアンケートを周知して、その場で答えてもらうように促し、より良い結果につながるものを作りましょう。

インタビュー・アンケート結果のフィードバック

近い人からのインタビュー・アンケートだからこそ、私が心がけていることは「インタビュー・アンケート結果のフィードバック」です。ただ聞きっぱなしにするのではなく、その結果がどんなものだったか?それを思って私たちがどう思ったか?今後どのように生かしていくか?を明確にメッセージとして発信しましょう。

こういうのは聞いて満足しがちで「せっかく答えたのに」となることが多いです。一人ひとり丁寧に聞いて、その内容を反映して運営が行われているという姿勢を示すことで次につながるインタビュー・アンケートを作っていくことができます。

私の経験でも結果を共有することで、更に次の意見がもらえたり、次のアンケートの回答率が高まることがありました。

ぜひとも最後はインタビュー・アンケート結果を参加された皆様へフィードバックして、より良い結果につながった感謝を伝え、次の改善へとつなげていきましょう。

ここまで12週にわたりご覧いただいた方、本当にありがとうございました!
皆様の応援やコメントをいただけたことにより、まだ未熟ながらも毎週書き続けることができました。
この後一度全体を見直して、更にブラッシュアップをしたり、付け加えたり、図表を加えることでレベルアップしていこうと思っています。

ぜひとも次に向けてご意見賜れれば幸いです。
ありがとうございました!

野村 浩司

金融系システムを中心に開発・保守・運用を6年実施、その後、事業部・社内改善を5年しており、大規模障害時は300人ほどの障害対応の統括を実施、事業部の故障数を30%削減などに取り組んだ。 他にも、原価削減はBPRで8000万/年、システム監視改善で3600万/年、申込運用改善で2500万/年など実績あり。

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野村 浩司

金融系システムを中心に開発・保守・運用を6年実施、その後、事業部・社内改善を5年しており、大規模障害時は300人ほどの障害対応の統括を実施、事業部の故障数を30%削減などに取り組んだ。 他にも、原価削減はBPRで8000万/年、システム監視改善で3600万/年、申込運用改善で2500万/年など実績あり。
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